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編集部ブログ

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本に沼る

2025-01-16
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 今回はいつものブログと様子が違い、戸惑う方もいらっしゃると思いますが、とばしていただいても結構ですのでよろしければお読み下さい

 さて、今回は長い正月休みとなりましたが、その間にある本を薦められました。
「対馬の海に沈む」というノンフィクションでした。

 もともと読書好きの私もこのごろは目の疲れを感じることが多く、読み始めるまでなかなか踏ん切りのつかないことも多くなってしまいましたが、いいきっかけをもらったので早速読み始めたところ時間を忘れるほど夢中になり、終わったときには朝の4時になっていました。

 この本の作者は元日本農業新聞の記者だった人で興味を持ち、また「開高健ノンフィクション賞」受賞作品ということもあり、読んでいくにつれて作者の取材・構成・文章とも素晴らしく、読み手を選ばない面白さを感じました。

 読み終わって、JA職員としては身につまされるような気持ちになりました。
 同時に、内容は対馬のJA共済推進日本一のライフアドバイザーを中心に起こる様々な出来事を丁寧に追っていて、作者と同化していると錯覚するようなリアリティがありました。

 私が感じた作者からのテーマは、人口3万人の対馬を舞台に、この話を社会の縮図として私たち日本人は功罪あわせ社会の空気をどう作ってきたのかということを問いたかったのではないかということでした。
 また、作中のある登場人物と作者から、一介のJA職員に過ぎない私にも、目の前の損得勘定だけにとらわれることなく、行く末を考えて動き、後に振り返って「次世代につなぐ一助になったのかな。自分の人生も捨てたものではなかった。」と思うことができるように少しでもがんばるよう励まされているような気持ちになりました。

 本書の内容は決して明るいものではありませんでしたが、小説のように興味深く読み進められ、薦めてもらって良かったと思っています。
 取り留めのないお話になりましたが、もし興味を持たれた方はお読みいただければと思います。(K.O)
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